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不思議の謎を解かねばならぬ

映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ(2014年) 雑感

悪い奴を光線と突進で倒す映画でした。プリキュア映画には敵が悪い奴じゃなかったり倒さなかったりする年もありますけど今回は倒すほう。

導入部の体感として映画スマイルプリキュアやオールスターズNewStage3あたりに引きずられるところがあって正直なところあまり乗れないまま後半戦に入ったのですが、その後半はテンションがモリモリと上がっていって終わってみれば大変な満足感でした。何の説明もなくワープしてくる強化アイテム、一見困惑しているようでその実一切の迷いのない強化変身、強烈なBGM(挿入歌)でテンションを最大に叩き込む手法‥‥これは‥‥劇場版聖闘士星矢‥‥。

実際ムックのインタビューなどでは聖闘士星矢や劇場版セーラームーンRなどが参照されていて(監督が幾原邦彦のファンみたいになってた)、東映外の仕事の多い今千秋監督ですがめちゃくちゃ東映アニメーションっぽい映画になった印象があります。あのツヤツヤコテコテした劇場版デザインもスクリーンの広さに合っていたのでは。

お話としては闇雲に「何とかなる」と連呼するだけではなく、確実に勝てるという打算でもなく、可能性の問題なのだから失敗もあると解っていて尚「何とかなる」と言えることに強さがあるという理解を自分の中でしており、そういうテーマは好みです。ニチアサの歌でいうと「可能性は必ずゼロじゃないはず」であり「ダメかもしれない ダメじゃないかもしれない」。

ラストが「踊るつむぎ(完治)」でも「すぐには治らないつむぎ」でもなく「発表会に出るところまで(完治したかどうか未知数)」なのはテーマ性と子供映画のせめぎ合いが生んだ妥協点だという話をどこかで見て、なるほどなーと感心したおぼえがあります。あれはいいエンディングだったと思いますが欲を言えばしっとりとしたイメージソング(挿入歌CDの2曲め)がスタッフロールに欲しかったかなとか。

本作では善いもの/有利なものは上手、悪いもの/不利なものは下手という富野監督流「映像の原則」に則っているカットが多かったように思います。特につむぎの下手に立つカットが多く、プリキュアがブラックファングと相対するくだりに至っては中間のつむぎを挟んで上下(かみしも)が入れ替わるため、喋っている人に対してつむぎが常に負い目を持っているのが表現されているように感じられます*1(合っているから良いとか悪いとかでなく、単に「そんなかんじだった」と言いたいだけです)。

あと東映アニメーションはどうしてTV放送作品では1080/60i、劇場では1080/24pみたいな作り分けをやってるんでしょうね。天下の東映動画東映動画との仕事をしてる会社で24pの撮影が出来ないわけないと思うんですが‥‥*2

*1:このあたりは舞台仕立てと絵本仕立ての登場する黒田成美監督の映画スマイルプリキュア! も上下の意識が顕著だった気がする

*2:その後Go! プリンセスプリキュアでTV版プリキュアの24p制作がようやく確立しました