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不思議の謎を解かねばならぬ

スクールガールストライカーズ トゥインクルメロディーズ 雑感(2)

リリース当初に首を傾げながら感想を書いたスクメロ(公式サイトへのリンク)で、サービス開始から1年と2週間、9月13日でのサービス終了とオフライン保存版アプリケーションの提供が告知されました(6月末時点で「スクエニ提供のゲームは告知から2ヶ月で終わることが多いけど、1年ちょうどを乗り切ったならあと2ヶ月は何とか戦えるだろう」と根拠もなく楽観視していたらその2週間後に終わりが発表されてしまった‥‥)。1周年によせる予定で書いていた感想を直して置いておきます。

およそ1年前の感想は下のリンクに。印象の変わったところも変わっていないところもあります。

eps-r.hatenablog.com


去年書き殴ったりサポートに送りつけたバグや妙な挙動はおおむね修正され、ゲーム中に限ればアイドル音ゲーアプリのまあ平均、上々や良質とは言わないまでも劣悪というほどでもない品質に収まっていたと思います。まあ、せまいせまいWebViewで問い合わせや引き継ぎのページを開くのは今も絶対にやってほしくないし、バックグラウンドに回っている間もメディア再生権を掴んでるのは好かないのですが。

バグが直ったとはいえ、品質より手前のゲーム設計と、品質より先の手触りに関しては疑問がありました。この段落は読み飛ばしてよい偏った私見と偏った好みであると断っておきますが、人は1日に何度も・何時間も音ゲーをやりたくなく、そこを突破するためには、音ゲー以外をしなくていいか、音ゲーをしなくていいか、とにかく余計なストレスを与えないことが必要ではないかと思っています(そもそもカード集めゲームと音ゲーの相性に疑問はあるが、しかし本当に音ゲーだけ提供していたらマネタイズの難度が増すのでそこは何とも言えない)。具体例をひとつ挙げれば去年に書いた「インベントリ拡張に金を払うスクストという全く新しい概念」という悪意ある一文がそうで、これは要するにゲームの時間がカバンの整理ごときで阻害されるという音ゲージャンルに限らず古いデザインだったことへの苛立ちから発したものですが(同年大ヒットしたバンドリが被ったカードをアイテムに自動変換する音ゲーだったのと対照的)、3年も前にリリースされていたポチポチゲーのスクストの時点で時間の無駄が排除されインベントリ上限が撤廃されていたにもかかわらず、スクメロが求め取り込もうとした原作要素はそうした設計思想ではなくタイトルとキャラクター資産でしかなかった為に「企画時点で成功しているアイドル音ゲーがそうだったから」であろう理由で消極的に整備されたゲーム仕様に上々とは呼べない実装が載ってきました。それで何が起こったかについてはジャンルの違いや市場のレッドオーシャンぶり以上に古さと触感の悪さの相乗効果を感じます(どちらかがマシなら結果はともかく印象は変わった)し、保存版アプリによりカード重ね要素も育成要素も撤廃されることで快適になるかもしれないという予測が立つのは皮肉と言わざるを得ません。

その保存版アプリ音ゲー以外を削り込むための大改造になっていることに驚くより先に、そもそもそんなものを作るとは思っていませんでした。全編に手を入れねばならないなら成る程リソースダウンロードの挙動(後述)に回すゆとりなどは早期に失われていたのかもしれません。限られた工数の使いかたにはむしろ厚意や熱意を感じますし、ただただ感謝するのみです。


先に「ゲーム中に限れば平均と呼べる範囲」と書いた理由のひとつに、遅いリソースダウンロードによってアプリを起動する気すら失せていくというゲーム以前、ゲーム未満の問題があります。ちょっと更新があるたびに数十MB~数百MBのダウンロードが発生するのは本作においては尋常でないストレスでした。

このゲームのダウンロードはなんだか暴力的に遅く、まともな帯域やレイテンシの回線でも10MBあたり1分を誇張でなく超えます。毎週のように10分以上待たされる体験にへこたれてログイン頻度が激減した私のようなプレイヤーは複数居るはずです。先の煙幕(のような長文)に書いた個人差や好みあるいはスクエニとR-FORCEの違い、とかの範囲を超えて明らかに失敗の一要因でしょう。

何故こんなことになっていたのかは興味本位で調べていて、パケットキャプチャをざっと見たりファイルシステムを覗いたりして以下のことが分かっており、

  • 国内のまともなCDNから配信している。CDNetworkは悪くないと思う
  • ファイル種別によって複数形式の暗号化を使い分けている。1個のリソースあたり1つのパスワードzipがサーバから落ちてきて内部ストレージにそのまま格納される、という場合もある
  • ファイル1個あたりのサイズは数KB〜数十MB
  • ダウンロード1回あたり1000ファイルを超えることもある(100MBを超えた時に確認。それ以下でも発生するかも)
  • リソース全体のファイル数は15000余、ほぼ単一のディレクトリに押し込まれている
  • Moto Z(Snapdragon 820)のWi-Fi環境でのDL速度が、約30MBを落とし終わるまでに14分10秒、約60MBを落とし終わるまでに14分40秒、twitter調べの最短でも5分程度

‥‥というところから仮説を幾つか考え、

  • ダウンロードから落としたファイルのベリファイ(正常性確認)までを単一スレッドで愚直にやっている説
  • ベリファイにおいて、落としてきたパスワードzip自体のハッシュでなく展開処理までを毎度毎度やっている説
  • ディレクトリあたりのファイル数の多さに伴って速度の落ちるロジックがどこかにある説
  • ダウンロードの際に既存ファイルの大多数または全部のハッシュを出してベリファイしている説

上記のいずれか、または複合なのでは? と推測するところで止まっています。仮に大穴も大穴、既存の2.7GB・15000ファイルの正常性確認が毎回走っているという非常識なことがあるなら「ストレージとCPUのベンチマークかよ」と驚いてしまいますが、まさかと思いつつも2.7GBを14分で割ったときの3MB台/秒という数字はそこそこ現実味がないでもない‥‥。

ついでにわかった余談として、本家スクストの差分ダウンロードでは数十MB単位に結合されたファイルから必要な分をRange Requestで「何バイト目から何バイト目まで寄越せ」と取得していることがわかり、ちょっと興味深いです。上のスクメロへの仮説がどうあれ、ファイルサイズあたりのHTTPリクエスト本数を減らすのはダウンロード時間に大きく響くでしょうし事実としてめちゃめちゃ速い。


あと年始の舞浜ライブに出向いていたりしました*1。これはとてもよかった。人生初のアイドルライブがスクエニ謎マネーの無償ライブで良かったのかどうか、いや良かった、本当によかった。渚さんの声がめっちゃ伸びやかですごい。

twitterでのキャラクター名義アカウントを使っての献身的な活動も公式アカウントを凌駕する勢いと細やかさの両立した頭の下がるものです(逆に公式アカウントの遅さと無機質さはどうかという感があった)。前に「本編の導入がラブライブすぎる」「声優なんだかスタッフなんだかよく分からないtwitterアカウント」みたいなこと言ってすみませんでした‥‥。


少し早いですがプレイヤーの皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした。アプリコット・レグルスのメンバーの今後のご活躍に期待しております。開発スタッフの方々も保存版アプリの開発成功と今後の経営の安定をお祈りしております。有難うございました。

あと関係者やリバースエンジニアリング名人などの識者がもし居られましたら、いつでも何年後でもいいのでリソースダウンロードの遅くなったメカニズムをtwitterのDMとか下のコメント欄(承認制)とかでこっそり教えてください、秘すよう言われれば誰にも言いませんから(そんなんで送るやつがあるか)。

*1:五角形のガシャットみたいな棒はその前にあったアニメ版スクストのグッズでスクメロとは無関係。