AT-Xで残りの2話を含めた一挙放送があったので。あと原作は未読です。
惜しいと感じたところがふたつあって、ひとつは2016まとめの時も「先輩たち、ちょっと不親切じゃない?」的なことを書きましたが、ラスト2話でその印象が強くなったところ。たとえば12話で「現地に着いたし、しまなみ海道走るぞー」って場面で亜美が着替えと枕を持ってきたときに目茶苦茶怒っている金髪先輩(雛子)とか、これ単なる連絡ミスじゃないんですか。
いや、自転車を始めてそろそろ1年近くになる倉田亜美をそろそろ初心者ではないと見なす空気だったのかも知れないし、遠征で荷物を軽くするなんてことは常識なのだからわきまえて欲しかったという空気だったのかも知れないけども(亜美もすでに長距離泊まりがけのイベントは経験してるし)、それらを差し引いても、なぜだか「先に言えよ‥‥」という感が拭えません。葵あたりと持ち物のクロスチェックとかさせないんですかね。
順番は前後しますが11話のナイトライドでも「夜は特に装備を充実させとくといいぞ」みたいな話を現地でしていたり、安全の話だろ、ふざけてるのか。ラスト2回に限らずシリーズを通して何かにつけてこういう「先に言えよ」感がすごくて、この世にやっていいことと悪いことがあるとしたらどちらかと言えば悪いことではないかと思いました。一応予防的レクチャーをしてくれたのは「下り坂ではブレーキをこまめに使える体勢でいないと死ぬ」と言ってた紗希先輩くらいじゃないですか、あれも現地だけど‥‥。
ここらへんは、教えるのが上手くない先輩と要領の悪い後輩が複合してあるある混じりのギャグになっている意図だろうし、「みんなで走る楽しさ」と「笑える失敗談」を両立させるのは難しいかもなあと理屈は思いつきますが、感覚的には意地でも初心者を一回失敗させて脅かしておこうという都合(または悪意)に近い雰囲気が通底していると受け取ることもできてしまえて、「倉田亜美はよくこんな連中と付き合ってられるなあ」と感心したりします。
一方で、フィクションに対してそんな態度ばかり取るのも筋が良くないとは思っていて、まあ要するにいちいち創作に腹を立ててもしょうがないんですが‥‥。
そうした合わないところはあれど全体的には面白かったし、それなりにまとまっていた10話よりも更に締めくくりとして妥当な12話だった(当たり前だ)ので、これが本放送時にちゃんと流れていればなあー、というのがもうひとつ惜しかったとこです。おわり。