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「投稿型まとめサイト」そのものが広告だった回

今年2020年は方々から嫌われ続けたNAVERまとめがついに終了したのが印象深いですが、キュレーションメディアブームの頃にひっそりと立ち上がり、今も細々と維持され続けているガジェット系ウェブサイトを皆様はご存じでしょうか。

http://gadgetm.jp/gadgetm.jp

WELQ事件前夜の2016年2月頃に開設されたとみられる、その名もそのまま「ガジェットメディア」は、会員登録ページがあることからも分かるように、NAVERまとめのように記事を公募して編集もそこそこにそのまま公開するタイプのウェブサイトです。

なのでPCやスマートフォンなどのうっすらとした微妙な知識や商品紹介が流されているわけですが、

http://gadgetm.jp/I0000359gadgetm.jp

http://gadgetm.jp/I0000344gadgetm.jp

http://gadgetm.jp/I0000342gadgetm.jp

http://gadgetm.jp/I0000379gadgetm.jp

http://gadgetm.jp/I0000425gadgetm.jp

http://gadgetm.jp/I0000456gadgetm.jp

ある時期以降、複数のアカウントから投稿される、サンワサプライ製品をやたら押してくる記事がちょっと目立ちます(というか並べて思ったけど、はてなブックマークを3usersにするスパムもやってるな、これは……)。

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そういえばこのサイトにはGoogle Adsenseのような自動挿入のクリック型広告が全く無く、唯一初回のアクセス時にサンワダイレクトの広告画像がチョロっと表示されるのみです。それはどういうことかと運営会社を見てみると、

運営会社 サンワサプライ株式会社

運営会社 | スマホPC周辺機器のWEBメディア ガジェットメディア GadgetMEDIA

……要するにロクな広告が無いのも当然で、この「ガジェットメディア」全体がサンワサプライおよびサンワダイレクトの広告であるということでした(それにしても、なりすましを疑ってしまうくらい簡素な表記ですね)。

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運営費用のうち少なくともドメインは確かにサンワサプライが持っているのが分かる。

crowdworks.jp

crowdworks.jp

クラウドソーシングサイトで記事の増量を図っていた形跡もあります。


これだけなら「社名を表示しているからステマではないだろう」という言い訳もギリギリ立ちますが、Internet Archiveをみると運営責任者の名前には個人名*1だけでサンワサプライとの関係性を直接明示するものは無く、【PR】表記もほぼすべての記事に無い……という状態が2020年の2月まで、4年ほど続いていました(というか、私がサンワサプライ宛に問い合わせたら諸々修正された)。

しかし重要なのは、サンワサプライが4年間ステマを続けていた事実よりも、そのステマが改められるまで誰にも彼にも全く問題にされず、それどころか改められた後もメディアとして、ウェブサイトとして全くといっていいほど認知されていないということで、その、怒る前にわびしさが立ちのぼってくるというか……成功というべきか、失敗というべきか、ちょっと難しいところだと思いませんか。

インターネットの片隅に、「ネイティブ広告やってみた」の残骸として今日もガジェットメディアは立ち続けています。

2021年12月18日追記

記事をここまで読まれた方には一目瞭然ですが、もはやガジェットメディアは立ち続けていません。

往時の投稿ペースを失った後も怪しい翻訳プレスリリースが数ヶ月〜数年に一度投げ込まれたり、まれに編集部名義の記事が発生するなどしながら維持されてきた当該サイトですが、私のツイートが少しRTされたときに担当者の目にでも触れたか即日消えてしまいました。

まがりなりにも一企業の運営するメディアであったなら、閉鎖のお知らせや広告ポリシーに関する何らかの表明が欲しかったところですが、密やかなサイトが密やかに消滅したのだから「らしい」終わり方だったのかもしれません。

*1:Googleで検索するとサンワサプライの社員であることが分かる