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(第2回)reWASD 機能チェックと翻訳セルフレビュー 環境設定_トレイエージェント

花粉症のつらい季節になりました。引き続きWindows向けコントローラーリマップソフトreWASDの機能の確認と、自身の素人翻訳の見直しや意図の説明をしていきます。

記事一覧はこちら:

eps-r.hatenablog.com

一連の記事には「機能をおさらいして、私からreWASDへの理解を深める」「翻訳を改善してreWASDを使いやすくなる」という意図があり、また副次的には「reWASDの日本語ドキュメント的なものを増やす」「ソフトウェアの素人翻訳メモはそれはそれで何か読み物っぽくなるかもしれない」という狙いがあります。

今回見ていくのはreWASD 6.4.0の環境設定の2ページ目、「トレイエージェント」です。

トレイエージェント(バックグラウンド エージェント)の設定群は、プロセスを常時起動しておくかどうかと、そのプロセスの機能の制御を行います。アプリのフォーカスに連動したコンフィグの自動切り替えも、バックグラウンド エージェントが関わっている機能のひとつです。

help.rewasd.com

正確な機能解説はヘルプガイドの原文をお読みください。

見出し

トレイエージェント(Tray agent)

英単語の間のスペースへのポリシーが自分の中で定まっていないため「トレイエージェント」はスペース無し、「バックグラウンド エージェント」はMicrosoft流のスペース有りで混在しています。突き詰めるとキリがないので意識的にごまかしているところですね。

チェックボックス

自動的にバックグラウンド エージェントを起動する(Autostart the background agent)

Windowsのログオン時にreWASDを常駐させるかどうかの設定です。後述のトレイエージェント設定と組み合わせて、システムトレイにアイコンを置かないまま裏で常駐させることも可能です。

reWASDにはマッピングや設定画面のためのreWASD.exeとバックグラウンドエージェント兼トレイアイコンのreWASDEngine.exe の2つのプロセスがあり、プログラムメニューから手動でreWASDを起動した場合は両方が立ち上がります。

このチェック項目がオンになっている場合は、Windowsへのログオン時にreWASDEngine.exeだけが起動してくることになります。

Note that without background agent reWASD won't be able to restore applied configs on startup, switch configs for associated apps, launch commands, use overlay and work with LED before you launch GUI.

(注記: reWASD のバックグラウンド エージェントを無効にしている場合、起動時のコンフィグ復元、アプリとコンフィグの関連付け、コマンドの実行、オーバーレイ、LED の使用などが、GUI の起動前には不可能になります。)

チェックを外すと適用ボタンのそばに注記が表示されます。

また、システムトレイ上で右クリックして「reWASD を終了(Exit reWASD)」を選ぶと、似たようなことを言う注意喚起ダイアログが出現します。

Applied configs remain active but reWASD won't be able to apply the new ones automatically, launch commands and work with LED. The GUI will be closed too. Sure you want to exit?

(適用されたコンフィグは引き続き有効ですが、 reWASD は新たなコンフィグの自動適用、コマンドの実行、LEDの機能などを利用できなくなり、GUI も閉じます。本当に終了しますか?)

スタートアップまわりの挙動をまとめると、

  • reWASDを普通に起動すると、reWASD GUIとバックグラウンドエージェントの2つが起動する
  • 常駐設定オンの場合はログオン時にバックグラウンドエージェントが起動する
  • バックグラウンドエージェントが1回でも起動していないと、コントローラーはバニラのまま
  • バックグラウンドエージェントが居ない場合、アプリ監視など一部の機能が停止する

というところでしょうか。稀にしかreWASDを必要としない人は本項目を切っておくのもいいと思います。

翻訳についてはあまり思うところはありません。起動がログオン(サインイン)時であることを明確にしてもいいし、しなくてもいい、くらいですかね。

起動時やデバイスの再接続時にリマップの状態を復元する(Restore remap state on startup and device reconnect)

バックグラウンドエージェントの起動時、認識されているデバイスのリマップON/OFFやスロット番号などの状態を最後の状態に復元します。チェックが無い場合はreWASDはリマップオフの状態でスタートします。

this permits you to get back to the remap state (that was active before you turn off or reboot your PC) once the PC is back on. Enabled Background Agent is required for this option

Tray agent · reWASD help guide

項目名を誤訳していました。挙動をしっかり確認するまで「起動時やデバイスの接続時」だと思っていたのですが、ヘルプでは「PCの再起動時」と補足されているので修正します(実際、エージェントが起動し続けている限り、デバイスを切断・再接続してもリマップやスロットの選択状態は記憶されています)。

直訳から少し離れますが「PCの起動時に、接続されているデバイスのリマップ状態を復元する」くらいが自然だと思うので、そうしておきます。

Xbox Elite コントローラーの物理的なスロット選択状態を復元する(Restore the Slot chosen physically for Xbox Elite controllers)

Xbox Elite コントローラーには独自機能としてスロット選択機能がありますが、この項目のチェックを入れている場合、reWASDはコントローラー側のスロット番号を読み取って、reWASD側のスロット番号に紐づける挙動をします。

私はXbox Elite コントローラー(Series 2)を持っているもののこのオプションを意識したことはほとんどありませんが、公式フォーラムによれば、reWASDが最後に使用したスロットとEliteコントローラーのスロット選択状態がズレた場合、このオプション次第でエリコン側のスロット番号を優先する可能性があるようです。

そういう意味では「復元」ではなく「追従」のほうがいいような気はしますが……。保留しておきます。

関連付けたアプリの終了時、スロットから適用されたコンフィグを取り除く(Remove applied config on exit from the associated app)

reWASDでは、アプリケーションとスロットとコンフィグ(マッピングセット)を関連付ける(Associate)ことで、「特定のアプリが前面にある時にコンフィグを入れ替える」という設定が可能です。

この設定項目によってアプリにフォーカスしなくなった時の挙動を調整できるので、例えばチェックをオンにすれば「ゲームが終了したらそのゲーム用のコンフィグから自動的に抜ける」といった挙動を実現できます。

実際の挙動としてはスロットとコンフィグの対応が外れるため、4スロット機能をアクティベートしていない場合はリマップがオフになるような動きをするはずです(4スロット機能有効時は適当な隣のスロットに移るような感じでした)。

画像のように「explorer.exeにフォーカスしたらパッドでマウスカーソルを動かす設定にする」といった関連付けを狙う場合は、エクスプローラー以外にフォーカスした途端にコンフィグが外れても困るので、チェックはオフにするといいでしょう。

そして本項も機能と訳がズレていますね。動きを見るにexitは終了ではなくフォーカスが外れるという意味なので、「関連付けたアプリから離れた時、その適用済みコンフィグをスロットから取り除く」に修正します。

トレイアイコンを表示(Show tray icons)

reWASD のメインアイコン(reWASD main icon)

このあたりは読んで字のごとくです。バックグラウンドエージェントのログオン時起動とは別に、タスクトレイにエージェントのアイコンを表示するかどうかを選べます。

些細な翻訳の修正になりますが、他のチェック項目との整合性を取りたいので「トレイアイコンを表示する」にしてしまいましょう。

複合箇所

下記のデバイスのバッテリーアイコンを調整:(Adjust a battery status icon for:)

接続中のそれぞれのデバイス(コントローラー)について、「アイコンとマークを表示:(Show icon and mark it with:)」チェックからバッテリーアイコンの表示有無を、その下のプルダウンから色を選びます。

どのコントローラーでも表示自体はできるようですが、ヘルプによれば正しく値を取得できるのは DUALSHOCK 4、DualSense、Xbox ワイヤレスコントローラー(BT接続時)、MOGAのみとなっています。

選べる色については、カラーピッカーを使う「自分で選ぶ(My choice)」以外にはサブカルチャー等から引っ張ってきたユニークな名前が付けられており、これは無理に翻訳せず原文ママとしています。

色名(英語) 説明 もし強引に訳すならどうする
Remapped 薄い黄色 reWASDのテーマカラー Remapped (reWASD テーマカラー)
Pikachu 黄色 ゲーム『ポケットモンスター』 ピカチュウ
Leeloo Dallas オレンジ 映画『フィフス・エレメント』 リールー
Mr Hankey 黄土色 TVアニメ『サウスパーク』 Mr.ハンキー
Shiraz 赤紫色 赤ワイン用ブドウの品種 シラーズ・ワイン
Angry Birds 赤色 同名のゲーム Angry Birds
Cat Toe Bean ピンク (特に元ネタは無いらしい) 猫の肉球
Turanga Leela 紫色 TVアニメ『フューチュラマ』 トゥランガ・リーラ
Smurf 青色 同名の漫画・TVアニメ スマーフ
Avatar 水色 同名の映画 アバター
Shrek 黄緑色 同名の映画 シュレック
Dark Field 深緑色 暗視野検鏡 暗視顕微鏡
Bugs Bunny 灰色 ワーナー・ブラザースのマスコット バッグズ・バニー
Darth Vader 黒色 映画『スター・ウォーズ』 ダース・ベイダー
Haters' Tears 白色 ネットミームらしい(※) アンチの涙

(※"Haters' tear(s)" 以後「アンチの涙」、をGoogleやtwitter等で確認したところ、辞典・事典の類は見つけられなかったが「彼は今頃、ジョッキ一杯に溜まったアンチの涙をごくごく飲んでいるだろう」「アンチの涙でバスタブが一杯だ」などの用例があり、「お前らの不幸で飯がウマい」に近いものだと解釈した)

重ねて補足しますが前述のスクリーンショットの通り、表中に「もし訳すなら」と書いた部分は使っておらず、英語の色名をそのまま使っています。

簡体字中国語版ではリール―(フィフス・エレメント)のみ何故か高坂穂乃果(ラブライブ!)になっているという大胆な訳が取り入れられていましたが、まあ些細な部分だし、変えても変えなくてもよかろうと思います。本来こんな長々と紙面を割くようなネタでもない。

まとめ

というわけで、トレイエージェントでした。

環境設定(トレイエージェント)には、reWASDの常駐中の挙動とタスクトレイについて、そして一見それとは関係なさそうなアプリケーション関連付け機能に関係する設定が収められています。

今回やると決めた修正点は以下の通りです。

  • Restore remap state on startup and device reconnect
    • 起動時やデバイスの再接続時にリマップの状態を復元する
    • PCの起動時に、接続されているデバイスのリマップ状態を復元する
  • Remove applied config on exit from the associated app
    • 関連付けたアプリの終了時、スロットから適用されたコンフィグを取り除く
    • 関連付けたアプリから離れた時、その適用済みコンフィグをスロットから取り除く
  • Show tray icons
    • トレイアイコンを表示
    • トレイアイコンを表示する

我ながら機能理解と翻訳の精度が思ってたよりも低いなという感想なので今後も不定期に点検していきます。次回は「入力デバイス」「確認事項」を見ていきましょう。