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Moto Mods 短評

ペンギン・ハイウェイ良かったですね。前半のどこに向かうのか曖昧な夏休みが不思議と退屈しない。

触れ込み

MotorolaのMoto ZシリーズというAndroidスマートフォンがありまして、これは背面のカバーを取り替えることによってさまざまな性能を追加することのできるマシンです。上のAmazonリンクは現時点での日本の最新機種Moto Z2 Play。

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背面カバーらの一部。

この「Moto Mods」というオプション群を調達し始めて1年ほど経ち、興味があったり処分価格になったりしたものを買っていたら数が増えてきたので今更ながら紹介しようというのが今回の主旨です。

なおMoto Zシリーズは今年発売された第三世代機Moto Z3 / Moto Z3 Playでの終息が一部で予想されており、そうなればもちろんMoto Modsというプラットフォームも終了すると思われます。出始めた頃の予想よりは長らえたと思いますが、何でしょう、ハードウェアメーカーたるもの一度はコア構想に夢を見たくなるものなんですかね。

以下、個別のModの話を淡々とします。

Hasselblad True Zoom Camera

光学10倍ズームとRAW保存機能が追加される、Moto Modsシリーズを代表する製品。

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コンデジの半身(はんみ)とスマートフォンの背面。当然だけど縦横はほぼ同サイズということになる。

スマートフォンにデジカメのレンズと操作系がそのまま結合しているさまは阿修羅のごとき異様だが、まあSamsungもGalaxy Cameraとか出してたし、いいか‥‥。

画質とかは素人なのでよう分からん(センササイズは本体カメラとそう変わらないようで期待はできない、やたらノイジーなのも慣れてない以上にそこら辺があるように思う)が、無遠慮にズームレバーを動かしてるだけで楽しい。

JPGモードまんまのペンギン氏。リンク先はオリジナルサイズを含む。

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本体のデジタルズームとの比較で、ぼんやりとした月蝕。三脚が無いのでシャッタースピードを遅くしづらい。

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アクリルスタンドを10倍ズーム。どちらかというと如何にデジタルズームがヌメっとした補間をきかせているかのインパクトが強いね‥‥。

とはいえ充電や写真回収・アップロードの手間がゼロに近いのはうれしく、ただ撮っているだけで本体側が適当なタイミングでGoogle Photosに写真を突っ込んでくれる(設定次第ではRAWデータごと‥‥)。

Moto 360 Camera

またカメラ。

こちらは一撃で全周撮影を可能にするソリューションだけど、見た目はなんだかゲームボーイポケットカメラみたい。

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トリミングしてただのパノラマ写真みたいにした図。

写真の下に撮影者が写り込むところも含め、既存の全周カメラと使用感も欠点も似たようなものだろうなと思える。意外にもRICOH THETAの編集アプリ「THETA+」がそのまま使えたりする。

ただTrue Zoom Cameraと同様に三脚が使えないのと、小さいレンズやセンサで広範囲をやらなきゃならないせいか解像度よりは雰囲気のカメラという印象が強い。

Style Shell

特別な機能を持たないおしゃれカバー群。Moto Zシリーズはこれを付けることでカメラの出っ張りがフラットになるよう設計されている。

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ナイロンが2種、木材が3種とレザー1種だったかが日本で出ていて、Moto Z本体にもチャコールオーク(灰色)が付属。

ナイロンとか木やらレザーやらの前に普通のプラやアルミ、ガラスっぽい仕上げのシェルを用意してもよかったのでは。いや、柄のはあったんだけども。

Wireless Charging Shell

QiのコイルとICを足すMod。

Style Shellより2mmほど厚いので気持ちカメラ部分が凹んで傷つきにくくなるかも。

後述のTurboPower Battery Modと併用できないのが痛し痒しの感。いや、サードパーティにはQi内蔵のバッテリーもあったけど、あったらあったで熱源を多重に触れさせるのもちょっとな‥‥。

TurboPower Pack

本体よりも大容量、3490mAhの拡張バッテリー。特にCPUのグレードに比べてバッテリー容量の不安なMoto Z初代には合っている気もしつつ「いや初めから本体の容量上げとけよ」というツッコミは入れていきたい。

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黒い部分がそれ(銀色の部分は後付けしたリング、半透明のは本体部分をカバーするバンパー)。「増槽付きスマートフォン」という言葉は妖しげな魅力を発しているが、引き換えに総重量はだいたい2倍くらい(約250g)になる。

最も使用頻度の高いModだったのだけど、1年常用していたらMoto Z共々バッテリー容量がガタ落ちした。そもそもバッテリーパックを密着させて常時ダラダラと熱や電流を発することに筋の悪さを感じる(分厚いから放熱にも不利だ)ので、せめて給電のオン・オフをソフトから切り替えながら使うといいかもしれない。そういう機能はあるので。

JBL SoundBoost

ごらんの通りのステレオスピーカー。構造上どうしても音が後ろへ響くので意外に臨場感が無く、ゲームや映像には向かないと思う。

特にゲームだと、どういう実装なのか効果音がランダムに遅れてスピーカーに入力されるので使い物にならない。BGM用途ならあるいは。

Insta-Share Projector

スマートフォンから光線が出て壁に絵を投影するという、先に誰かが考えていてなんなら実装まであるけど中々後続の出ないアイデアがよりにもよってModとして存在する。

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公式サイトの絵面がとにかくすごい。

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スケール感がなんもなくて大きさがわかりにくいね‥‥長辺にして150cmくらいだったか、暗闇なら意外と見られる。台形補正は縦のみです。

音はモノラルの本体スピーカーで我慢するかBluetoothで頑張るなどする必要がある。

おもしろさも欠点も、むかしEngadget日本版に載っていたZTE「モバイルシアター」のレビュー記事で言われていたのとほとんど同じ。分離機構のせいか価格のせいかプロジェクタとしてのスペックはあれより弱いので気をつけていきたい。

おわり

ほかには車載ホルダー、ゲームパッド、ポラロイドプリンタに、手帳型ケース、Alexaスピーカー(手帳とAlexaは海外のみ)なんかが出ています。さすがに全部付き合う気にはなれない‥‥。

とはいえカメラ類ではModの仕組みが活きているように思いました。かさばりがちな光学系を着脱可能にして、成果物はスマートフォン側に即時保存してくれるのは体験としてそう捨てたものでもないかなと思います。そこ行くと今後出る5G Modはいくら拡張にしても往生際が悪いかなと。

惜しむらくは価格帯かフォームファクタかの制約によってあらゆる体験がチープというかタイニーというか、価格にしては弱いコンデジ、暗いプロジェクター、少ないバッテリー、小さいスピーカー‥‥。まあ強くしたらオモチャでは済まない価格になった可能性もあるので難しそうです。スマートフォンはそう簡単にガンダムF90やストライクガンダムアーマードコアのようにはなれない。

Motorolaに見捨てられ量産に失敗したキーボードModを悼みながら、私とMoto Modsたちはここで緩やかに朽ちていきます。皆さんも怪しげなコアモジュール構想には気をつけましょう。