前回のreWASD機能解説・兼・翻訳セルフレビューから結構な間が開きました。世の中ではGPD WIN MINIが出たり、ガンダムSEEDの劇場版が公開されたりと色々ありましたが、とりあえずはその間に数回あったアップデートについて、リリースノートを見つつ簡単に紹介していきます。
なお当blogでは以前から記載している通り、競技性ゲームにおけるチート目的でのreWASDの使用や、コンフィグの購入・販売などは推奨していません。
reWASD はいかなるチート行為も支援するものではなく、私たちとフェアプレーの精神を分かち合うことを求めます。
(reWASD doesn't promote any way of cheating and asks you to share our values about the fair play.)
このダイアログは環境設定→リマインダーの一番上、「チートマッピングと推定されるコンフィグの適用について知らせる」が有効になっている限り確認できます。
Ver.6.6.0: コミュニティ連携機能
昨年5月の末には6.6.0が出ました。
大きいところでは、公式サイトのコミュニティコンフィグ投稿ページのカスタマイズ版に本体からアクセスできるようになりました。デフォルトソート順あるいは表示内容が公式サイトと異なっていたり、直接コンフィグを適用できる機能がついたりなど、本体機能としての調整がされていると感じます。
ソート順カスタマイズやページングの不足などUIには課題を感じますが、ファーストステップとして無料のコンフィグにアクセスしやすくするという導線が増えたことは高く評価しています(有料のコンフィグに誘導しようとする人が多い、という背景があるので)。
これは自分で翻訳しといてよくわかっていませんが、仮想コントローラの設定でスティックの移動範囲を正方形にできるようになりました。感度形状を正方形に寄せられるのはいいとして、なぜバレルと呼ぶのかは謎です。
その他更新点は以下の通り。
- GIMX を経由しての reWASD から Xbox One/X/S への接続を実装しました
- コントローラーの追加: Hori Fighting Commander OCTA および Flydigi Apex 3 (アダプティブトリガー以外);
- ESP32 ファームウェアを更新しました。
- 環境設定に "Windows ストアアプリから隠す (すべてのスロットに影響)" オプションを追加しました。
- 全体的な安定性とパフォーマンスを改善しました。
Ver.6.7.0: 仮想ジャイロの追加
8月26日には6.7.0がリリースされています。
仮想Switch/PSコントローラについて、他の入力を仮想ジャイロ(Virtual Gryo)に変換できるようになりました。
また、タイトルバーの歯車の隣、ヘルプボタンを押すとフィードバックフォームを兼ねたダイアログが開くようになりました。
その他は以下の通り。Steam Deck対応はちょっと珍しい環境ですね。標準のSteam OSではなくWindowsを入れた場合の話です。
- Windows 搭載ハンドヘルドゲーミングPCとの互換性を実装しました。
- Steam Deck ネイティブゲームパッドをサポートしました。
- コンフィグに対して、機能のアクティベーション状況と互換性のチェックを行うようにしました。
- GIMX の代替として、 ESP32-S2 USB アダプターのサポートを統合しました。
- HORI Fighting Commander OCTA for Xbox Series X|S をサポートしました。
Ver.6.7.1
9月14日の小規模アップデート。
- .NET Core の自動ダウンロードに失敗した際のステップを案内するようになりました。
- 環境設定に Apple Magic Trackpad 2 のドライバーサポートオプションを追加しました。
- サポートチームへの問い合わせフォームを調整しました。
- 全体的な安定性を改善しました。
Ver.7.0.0: ラジアルメニューの追加
11月16日にはメジャーアップデートが行われ、有償の機能「ラジアルメニュー」が追加されました。
ラジアルメニューは一種のシフト機能(シフトレイヤー)として動作し、画面にウェポンセレクターめいたメニューを出すことで多数のショートカットを選択できます。
ゲームだけでなくドローイングや動画編集なども意識したアイコンセットが収録されているため、いわゆる左手デバイスとの相性もいいかもしれません。
その他:
- Flydigi Vader 3 のサポートを追加しました (アダプティブトリガーを除く)。
- スライダーのダブルクリックもしくは専用のボタンを使うことで、設定をデフォルト値に戻せるようにしました。
- Flydigi Apex 3 のバッテリー残量表示に対応しました。
- 内部的なアップデートと最適化により LED の安定性が向上しました。
Ver.7.1.0: 「仮想コントローラー」を「出力デバイス」に統合
年が明けて2024年、2月8日のアップデート。
「仮想コントローラー」という表現がほぼ消滅し、物理コントローラーと仮想コントローラーが並立して「出力デバイス」として扱われるようになりました。
とはいえおそらくコンボ等の特殊フィーチャーを使うためには仮想コントローラーが当分必要であろうと思います。名前と画面構成が分かりやすく変わっただけで、機能分担としてはあまり変わっていないかなと。
その他:
- ラジアルメニューの配置 (中央または画面隅) や追加のアイコンなど、カスタマイズのための新機能を追加しました。
- ラジアルメニューの設定をコンフィグ間でコピー & ペーストできるようになりました。
- キーボードやマウスを排他的に使うための「入力デバイスをシステムから隠す」オプションを追加しました。
- 新機能に対応できるよう、魔法の杖アイコンのデザインを更新しました。
付記: Ver.7.1.0以降の初回起動画面について
スクリーンショットの通り、Ver7.1.0の起動画面ではEAとActivisionによるreWASDへの対策について言及しています。
このリリースの少し前の2024年1月以降、EAのApex LegendsとActivisionのCall of Dutyなど一部タイトルでreWASDは検知・起動ブロックの対象になっています。reWASDのインストールされている環境ではゲームを遊べないといった対応のようです。
海外の一部ニュースサイトでははっきりと名指しで話題にしている。
We don't plan to make any "workarounds" related to this.
Disc SoftのreWASD開発チームでは「この規制に対応した如何なるワークアラウンド(回避策)も用意するつもりはない」としています。
また今後の落としどころを探ると共に、リマップ・アクセシビリティツールとしてのreWASDの側面を強調し、ユーザーからもメーカーへ働きかけるよう呼びかけています。
一方でnoteを根城にしている設定販売アカウントらが未だに「reWASD検知回避方法」などを売っているのはまったくばかばかしい話で、ゲームタイトルがツールそのものを規制せざるを得なくなるまで悪用して環境を荒らした後になお小銭を稼ごうとするのは、ゲームのコミュニティとreWASD双方を破壊しようとする挑戦です。これらに有効な対策を打たずにいるnote(販売者の多くは執拗なスパムも兼ねている)などのプラットフォームに対しては、個人的には不信感を持っています。
以上です
設定項目などの補足記事は近々再開する予定です。